意匠登録出願手続きの流れ

① 出 願

 特許庁への電子出願が完了しますと、オンラインで出願番号通知が参ります。
 その後の審査についての応答は、全てこの『出願番号』によって行われます。

② 方式審査

 方式審査は、書類等の方式の要件チェックを行うものであり、この段階では、具体的な内容の審査は行われません。

③ 補正命令

 願書・図面等に不備があった場合、特許庁より『手続指令書(方式)』によって補正の指示がなされます。

④ 補正書提出

 出願人は、『手続補正指令書』発送の日から30日以内に補正書を提出し、不備を解消することができます。

⑤ 実体審査(内容審査)

 特許庁審査官により実体審査(内容審査)が行われます。
 実体審査では、出願意匠が工業上利用できるか否か、新規なものであるか否か、容易に創作できるか否か等の登録要件が審査されます。
 通常、出願から12ヶ月程度経ちますと、審査官からの応答があります。
 なお、意匠法には、出願公開制度が設けられていないため、審査にパスして登録になるまで出願内容は第三者に開示されません。

⑥ 拒絶理由通知

 審査の結果、登録要件を備えていない場合には、拒絶の理由を記載した書面(⑥)が通知されます。出願人はこれに対して意見書・補正書(⑦)を提出することにより弁明を行うことができます。

⑦ 意見書・補正書提出

 拒絶理由を解消するために、出願意匠と拒絶引用例等とを対比した上で、出願内容を必要に応じて補正し、それに基づく意見書を審査官に提出します。
 なお、出願当初の要旨を変更する補正は認められません。。

⑧ 登録査定

 審査官が出願について拒絶理由を発見しない場合、または⑦の手続によって拒絶理由が解消した場合には、登録査定の謄本が出願人に送達されます。

⑨ 拒絶査定

 拒絶理由が解消されない場合には、拒絶査定の謄本が出願人に送達されます。
 拒絶査定に承服できない場合には、拒絶査定不服審判を請求することができます。
 審判は、3名または5名の審判官の合議体により審理されます。

⑩ 登録料納付

 出願人は、その登録査定謄本を受け取った日から30日以内に、第1年分の登録料を納付しなければなりません。

⑪ 設定の登録

 出願人から登録料が納付されると、特許庁の登録原簿に設定の登録が行われ、意匠権が発生し、登録証が交付されます(登録料納付から1~2週間後)。

⑫ 意匠公報発行

 登録査定のあった出願については、権利内容を公表するため、登録意匠の内容を記載した意匠公報が発行されます。
 なお、意匠法では、商標法で認められている登録異議申立制度は採用されておりません。

⑬ 登録無効審判

 登録意匠に対しては何人も登録無効の審判請求を行うことができます。
 特許庁による登録処分の適否を判断するため、公衆に意見を求める制度です。

⑭ 無効審判請求通知

 登録無効の審判請求があった場合、請求人の主張する無効理由を記載した書類が意匠権者に届きます。

⑮ 答弁書・訂正書提出

 登録無効の審判請求に対しては、答弁書により反論することが可能です。
 登録無効の審判では訂正書の提出は認められていません。

⑯ 年金納付

 第2年分以後の登録料は、前年以前に納付することが必要です。複数年分又は全期間分を一括で納付することも可能です。
 登録料の納付がない場合、意匠権は消滅します(⑰)。

⑰ 意匠権消滅

 意匠権の存続期間は、意匠権設定の登録により発生し(⑪)、設定登録の日から20年(2020.4.1より出願日から25年)で満了します。
 起算日は出願日ではありませんので、特許権よりも長く権利を維持することができます。満了後は、何人も自由にその意匠を実施することができます。

 意匠登録出願手続系統図

意匠登録出願手続系統図(2015年02月15日修正版)

意匠登録出願手続系統図(2015年02月15日修正版)